食品ロスを減らすために家庭でできることは?家計も助かって環境にもやさしい!?

目次

食品ロス(フードロス)の問題については知っているけれど、何をすればよいのかわからない、という人も多いはず。食品ロスにおける飲食店の現状から、家庭で食品ロスを減らして節約にもつながる方法をご紹介します。

「食品ロス」「食品ロス問題」って何?

「食品ロス」や「食品ロス問題」という言葉は、聞いたことがあると思います。「食品ロス」は食べられるはずの食品が捨てられることで、社会、環境、経済への影響が問題となっています。また、日本では年間570万トンの食品が廃棄されており、その多くが家庭や飲食店、小売などの食品産業というのが現状です。

「食品ロス問題」とは食品ロスによって生じる、社会、環境、経済への問題のこと。食品を廃棄するコストや環境への影響、倫理的な問題などがあります。食品を廃棄する量を減らすことも大事ですが、ごみを再利用する取り組みが注目を集めています。

  • 食品ロスとは→食べられるはずの食品が捨てられること
  • 食品ロス問題→食品ロスの発生によって起こる様々な問題のこと

食品ロスの影響

続いては食品ロスで受ける影響について、「食品ロスって何か問題なの?」という方。どのような影響があるのか「食品ロス問題」を詳しくみていきましょう。

1.環境への負担

食品を生産するためには水、土地、エネルギーが必要です。食材が無駄になると、それに使われた資源も無駄になるだけでなく、廃棄時の焼却によって環境ガスが発生などで地球温暖化を促進します。環境全体への負担が大きくなることがわかっています。

2.経済的損失

食品の製造から輸送、販売に至るまでのコストが、食品ロスによって無駄になるのは経済的な損失です。また、廃棄処理にもコストがかかり、消費者、企業、自治体の経済負担が増大します。食品ロスによって会社の利益が減れば、商品価格にも影響します。

3.不公平さと社会的問題

世界には約8億人以上が飢餓に苦しんでいる一方で、年間約13億トンの食品が廃棄されています。この状況は社会的、倫理的な問題になっています。

食品ロスの問題を解決するためには、企業や自治体、消費者それぞれが協力して、できることから食品ロスの削減に取り組むことが求められます。

企業だけでは変われない!?飲食店の現状は?

食品ロスが課題の日本において、飲食店の現状を踏まえた対策は食品ロス問題解決へとつながる第一歩です。

飲食店全体で見ると、食べ放題メニューや宴会、パーティー用の料理、バイキング形式では食べ残しが出ることが高く食品ロスの割合が高くなっています。ここからは飲食店の現状と食品ロスへの取り組みを解説します。企業の取り組みを踏まえて、消費者として何ができるか、ポイントをおさえておきましょう。

過剰提供や食べ残しが課題

飲食店では、来店客に満足してもらうため、ビュッフェ形式やバイキング形式など、見た目や量にこだわった料理が提供されることが少なくありません。そのため料理を多めに用意する傾向があり、結果として食品ロスが増える原因になっています。

飲食店側が「料理が足りないと失礼に当たる」という考えからですが、消費者側は食べる量を見極めて必要以上に食べ物を取らないように意識することからはじめてみてはいかがでしょうか。

食材の在庫管理が難しい

飲食店では天候、曜日によって来客数が変動するため、食材の需要の予測が困難です。コンビニなどでは頻繁に商品の入れ替えを行うため廃棄する量を減らしにくいでしょう。また、飲食店では新鮮な食材の提供が求められ、保存期間の短い生鮮食品は消費期限が近くなると廃棄されるケースが多いです。

近年は、デジタル技術を用いて在庫管理や需要予測を改善するシステムを導入することで、過剰な仕入れを防ぎ適切な食材の管理が可能になってきています。

飲食店における食品ロスへの取り組み

先ほど説明したように、飲食店での課題はいくつかありますが、ここでは食品ロス削減に向けた取り組みをご紹介します。

1.デジタル技術を用いたシステムの導入

飲食店業界では予約ベースで来客数を事前に把握する方法が普及しています。デジタル技術を用いた在庫管理や需要予測を改善するシステムを導入することで、過剰な仕入れを防ぎ、適切な食材の管理も可能になっていくでしょう。アプリを使えば予約された情報に基づいて必要な量だけ調理できるので無駄を省けます。

2.ハーフサイズのメニューの提供

小分けやハーフサイズのメニューの提供によって、食べ切りやすい量を注文できる飲食店も増えています。また、食べられる食品を廃棄せずに、フードシェアリングなどで有効活用する仕組みもあります。

3.生ごみ処理機でリサイクル

事業系のゴミを捨てる際には産業廃棄物としての処分費用がかかります。この費用が高くなってしまうため、店舗では生ゴミ処理機を活用したリサイクルの取り組みによって生ごみ処理機によって処理コストの削減にもなっています。

簡単に家庭でできることは

ごみの廃棄量を減らすために、わたしたちにできることはたくさんあります。

たとえば、「食品の買いすぎや食べ残しを減らす」こともその一つです。食品を廃棄する量を減らすための工夫をしていくことが、食品ロスの削減につながります。

家庭でできる取り組みは主に3つあります。

  • 買いすぎや食べ残しを減らす
  • まだ食べられるものは冷凍保存する
  • 水分を飛ばしてゴミの量を減らす

買いすぎや食べ残しを減らす

まずは、食品の買いすぎや食べ残しを減らすことから始めてみましょう。あらかじめメニューを決めておけば、必要な食材の量がわかり無駄な買い物を減らせます。衝動買いも防げますね。調理の段階でも、野菜の葉や皮なども炒め物やスープにも使えますので、食材の無駄を出さないように取り組んでみてください。

まだ食べられるものは冷凍保存する

多めに作った料理は、後日食べられるように冷凍保存をしましょう。冷凍保存をすると賞味期限が長くなります。冷蔵庫や冷凍庫の中を定期的にチェックし何があるか把握しておけるとよいですね。できるだけ小分けにし、クリアな容器を使うと中身が見えやすくなります。

水分を飛ばしてゴミの量を減らす

生ゴミを乾燥させることでゴミの量を減らせます。簡単ですのでさっそく試してみてください。「意外と知らない!?生ごみの乾燥アイディアで毎日を清潔に」の記事では、5つのアイディアをまとめています。乾燥させる方法とメリット、デメリット、注意点などを比較したい方はぜひ活用してみてください。

生ゴミ処理機でゴミの量を減らせることをご存知ですか?乾燥時間も短くて手間もかかりません。食材は買いすぎないようにしていて、多めに作った料理は冷凍保存していいるという人も多いかもしれません。ただ、生ゴミ処理機は乾燥させるだけでなく、乾燥させた生ゴミを堆肥として活用することで植物や野菜を育てる循環サイクルを回すことができるのがポイントです。ただゴミを捨てるだけでなく、再利用をする取り組みが見直されています。

食品ロスを減らすためにできること、まとめ

「食品ロス削減に貢献したい」けれど何から始めたらよいのか、家庭でできることは限られていると思われるかもしれませんね。でも実は、日本の廃棄物の半分は家庭から出ているゴミです。食品を廃棄すればするほど、環境への負担、経済的損失、社会的問題につながるのです。

家庭でも多くの方が関心を持っている「生ごみ処理機」は生ゴミをいつでも処理できるだけでなく、捨てられる食べ物を堆肥として使うことで資源循環ができます。

私たちができることはたくさんありますが、食品ロスについて知っていても、私たちが暮らしの中で意識して、行動に移している人はまだ多くはいません。「食品ロス」や「食品ロス問題」の解決につながる行動や選択を知っていただき、暮らしに取り入れていただければと思います。